天河神社へ ② ~斎庭(ゆにわ)~

前回からの続き・・・

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「お参りですか?」と、ひとりの男性の方に不意に声をかけられ、

「はい…、せいてんさん と、後から いだてんさん にも行こうと…」と、

『天河聖地MAP』に書いてあった神社の名前を告げかけると、

「しょうてん(聖天)神社です」と すかさず訂正され(笑)

「ここも、韋駄天さんも 山の神様です」と、さらにお話が続きそうな気配。。

「まずは、お参りしましょう」とうながされ、

 その方に続いて、私達も神妙にお参りをしました。

 

聖天神社のすぐ横から、船岡山全体を覆うように

網の柵が 張り巡らされていました。植樹をしているので、

動物が若木を食べてしまわないために、とのこと。

 

「中に入ってみますか?」と、言われ、

「えっ、いいんですか?!?!」と私達。

 

たぶん この地域にお住まいの方なんだろうなぁ…、

でも、今 会ったばかりの見ず知らずの私達を 

柵の中に案内してくれるという…。

どなたなのだろう? ひょっとして、聖天さんの神様?

いろいろ妄想しながらも(笑)、ありがたく柵の中へ。

 

天河神社に面した船岡山は、大きな木はすべて伐採されて山肌があらわになり、

切られた杉やヒノキの代わりに、広葉樹の若木が植えられていました。

 

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頂上へと続く 整備されつつある小径を

どんどん 歩いてゆかれるその方を 追いかけて、

必死でついてゆく。もう散策というより、軽い登山。

小径も 整備中なので 気を抜くと足を踏み外しそう(汗)

私達、どこへ行くのだろう? 着くのだろうか?

と少し不安な気持ちになった頃、

ようやく つづれおりの小径が終わり、船岡山の頂上に着いた。

 

息も絶え絶えだったが、そこからの景色がこれ!!

言葉に出来ないほど、感動した。

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さっき見上げていた大イチョウの巨樹ははるか下に見え、

真正面に見える 天河神社の赤い鳥居はミニチュアのようだ。

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右奥に(写真が切れていて映っていない^^;)天川が見える。

琵琶山、高倉山などの山々が 天河神社のむこうに広がる。

 

『天河聖地MAP』に広がる世界がそこにあった。

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この景色をみながら、さまざまなお話を伺った。

  針葉樹のかわりに広葉樹を植えて昔の里山に戻そうとしていること。

  この地で何年も間、土の中で眠っていた お茶 の種が、芽吹いたこと。

  5~6年もすると、ここで茶摘みが出来るということ。

  昔、天河神社の周りは川だった、水の中に浮かぶように社殿があったこと。

   弥山から天川へ、そして真名井の井戸(ご神体)へと繋がっているということ。

  それは、ヒマラヤ、ガンジス河、サラスヴァティと呼応すること。

  ”神をお招きする場所”の意の 斎庭(ゆにわ)をつくろうとしていること。

  船岡山は夜になると星が降ってくる、ここに 月見台をつくろうとしていること。

  天河神社にお参りに来た人が、船岡山を自由に歩ける小径をつくっていること。

などなど、お話は尽きなかった。

 

「壮大な計画で、長い年月がかかりますね?」とおたずねすると、

「100年計画です」「次の世代にこの里山を残してゆきたいのです」

と言われた時には、

その深い思いに感動で胸がいっぱいになった。泣きそうになった。

 

山を降りるときも、へっぴり腰は変わらずだったけれど(笑)

来た時とは、山肌の景色が違って見えました。

柔らかい土の感触、日の光を浴びた土の匂い、このまま寝転んでみたい。。

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もう一度、聖天神社に手を合わせてお参りをしました。

案内していただいたお礼を言って、別れ際に、

やっと お名前を聞くことが出来ました。「井頭です」と。

私達も自己紹介をして、再度お礼を言って別れました。

 

紹介していただいたお店で、遅いお昼ご飯を食べている間も、

井頭さんという方に、船岡山の頂上まで導かれた不思議と感動に、

言葉少なく、ボーとするしかなかった私達でした。

 

天河神社から帰って、

井頭さんは、天河神社の氏子さんで 斎庭(ゆにわ)プロジェクト代表の

お1人であることが、わかりました。

神様ではなかったけれど、ある意味  ”神様”ですね(笑)

だから、案内していただけたのですね。素晴らしい偶然に感謝です。

四季を感じる里山を取り戻したい!里山整備と300本植樹プロジェクト(斎庭 2020/12/25 公開) - クラウドファンディング READYFOR

 

神社の清々しい気(エネルギー)は、その土地本来のものであると同時に、

地域の方々が、その土地を守り続けてこられ、これからも守り続けるという

おもいに支えられているということを、忘れないでおこうと思いました。

 

さて、お昼ご飯の後は、韋駄天さんへ。 次回へ続く。